2012年12月15日土曜日

12月12日 スタジオ後期第9回

今回は久しぶりに論文輪読の回でした!

全員共通の課題図書は
『はじめての国際協力 変わる世界とどう向き合うか』
内海成治,昭和堂,東京,2012

この本を章ごとに振り分け、二人一組で10分間のプレゼン。
その後15分ほど質疑応答・ディスカッションをします。



3章「国際協力としてのCSR―東ティモールでの千のトイレプロジェクト―」

王子ネピア株式会社のCSR活動のプロジェクトを事例に
企業のCSR活動についてプレゼンしました。

*CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)
 企業が自主的に、自らの事業活動を通して、
 または自らの資源を提供することで
 地域社会をよりよいものにするために深く関与すること

千のトイレプロジェクトは、東ティモールにおけるユニセフの
「水と衛生に関する支援活動」をサポートし、
年に一千個のトイレを建設するというものです。
プロジェクトについては以下参照。
http://1000toilets.com/

ディスカッションでは、
「企業の特色を生かした活動である点が評価できる」
「事前調査が不十分だったのでは」という意見があがりました。
また、メンバーが実際に見た各国のトイレ事情についての話題になりました。
たとえば東ティモールやインドネシアでは横にある手桶で水を流しているとか。
(千のトイレプロジェクト 事前視察レポートより)

4章「復興支援としてのフェアトレード―東ティモールのコーヒー農家―」

同じく東ティモールのコーヒー農家を事例にフェアトレードについて、
そしてそれを実践しているピースウィンズジャパンについてのプレゼンでした。

*フェアトレード:製品に対して公正な対価を支払い、
不利な立場に追いやられた生産者や労働者の権利を保護することを目的とした取り組み

日本でもフェアトレードの認知度は上がってきていますが
他国に比べるとまだまだ低い。

また、フェアトレード商品を売るときには
消費者の「同情心」に頼っている部分が大きいといえます。
今後は同情心ではなく、商品の「質」の良さ
または生産者それぞれのストーリーを伝えることが重要だということでした。

これに対して、
「フェアトレード商品の価格はどうやって決めたらいいのか」という疑問や
あのマクドナルドにフェアトレードを導入させたスイスの事例から
「エコカー減税のように、国が動かなければなかなか活発にならない」
という意見が出されました。

7章「ウガンダの子供兵」

世界中で確認されている子供兵
今回はウガンダ、特に北部に焦点があてられています。

政府と反政府勢力LRAとの争いの中、LRAが北部で支持を失い、
その制裁として民衆を襲撃するようになりました。
そこでアチョリ族の子供が誘拐され、兵士として使われるようになります。

*LRA(Lord's Resistance Army):1987年にアチョリ族のジョセフ・コニーによって
結成された反政府勢力。十戒(キリスト教)とアチョリの伝統に基づく
国家建設を掲げている。

子供兵が保護されるほぼ唯一の機会は、皮肉にも戦闘が起こったとき。
戦闘後に置いて行かれた子供たちが保護されます。

本の中では、NPOテラ・ルネッサンスの活動が紹介されていました。
ウガンダにおいて、帰還した子供兵の自立支援を行っているということでした。

私たちのスタジオでは主にパラグアイについて学んでいたので
「アフリカの問題はいつもと違って新鮮だった」という意見も。
子供兵を取り締まる法整備など
解決策を探すのは難しいことです。


「東ティモールの小学校の現状」


斬新なスライド!!(笑)

東ティモールでの学校問題について、
紛争後の教育をどのように行っていくかに焦点があてられてます。

東ティモールは2002年に独立したばかりの国。
その前はインドネシアに、その前はポルトガルに支配されていました。
そのため、先生たちの使う言葉はポルトガル語、
しかし現在の教授言語はインドネシア語。
ここで言葉の問題が生まれています。

また、どちらの時代も支配していた国の事情に合わせた
教育が行われていました。
今後、自国にあった教育を行うにはどうすればいいのか。

これに対して
「まだできたばかりの国だから、現地語を使うようにしたり
なんらかの方法が今後見出せるはず」
「でも複数の言葉で教えるのは先生の負担では」
という意見。
まだ独立して間もない、できたばかりの国。
今後が期待されます。

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