2012年12月24日月曜日

12月19日 スタジオ第10回~論文輪読編~

本日も輪読、ゲストスピーカーの方の授業など
盛りだくさんのスタジオでした!

では早速論文輪読の様子から・・・

第11章 子供の通学を支援する―マサイの生活世界

マサイ族はアフリカのケニアとタンザニアにまたがって住む牧畜民の方々のこと。


ケニアでは、1969年の独立後から近代教育の普及が開始されましたが
マサイ族のような牧畜民は独自の生活をしていたので
教育を受ける子供の数は限られていました。

たとえ学校に入学しても、中途退学・留年をする子供がたくさんいます。
男の子は家畜の世話、女の子は家事の手伝い・妊娠子育てなどのため、
また5年生からKCPEに向けた学習が始まるので、成績が振るわない子は進級できない、
という様々な理由が挙げられます。

*KCPE・・・初等教育修了試験。ケニア全体で行われる統一テストのようなもの。
この成績により、学校の優劣が測られています。

では家の周辺に学校が複数ある場合、学校を選ぶ基準は何なのか?
今回はGPSを使って通学距離を測り、
どんな基準で親が学校を選ぶのかを調査しています。

結果、成績優秀(あるいは設備が整っている)校から遠いと通学距離が近い学校を選び、
近ければ優秀校を選んでいることが分かりました。

今後は子供たちの通学しやすいところに学校を建てることが重要であるが、
近くに優秀校があるとそちらを選ぶ可能性があるので
両方を考慮する必要がある、ということでした。

メンバーの意見としては
「学校の位置がわからなくて、迷っちゃう子供がいるのがなんだか可愛い(笑)」
「そもそもマサイの中に近代教育はなかったのだから、どうなんだろうと考えてしまう」
「プレゼンがうまかった!!」(なのに、写真撮り忘れました・・・TT)
などがありました。


第9章 伝統的社会の変化と学校―ケニア・ラム島の子供たち

先ほどと同じく、舞台はケニア。
そのラム島(地図の右下あたり)は、リゾート開発が進んでおり
島のキプンガニ集落の子供たちと
リゾート地で働くために親とともに大陸から移住してきたシャンバの子供たちとの
教育格差が問題になっています。
 
もともとキプンガニではナーサリー(幼稚園のようなもの)から
小学校に上がる際の基準を高くし、留年を防ごうとしていました。
しかし移住してきた子供たちは1年のナーサリー教育で
それに追いつかねばならない。

今後は大陸との教育格差をなくし、
同時に多様な生徒を受け入れる学校づくが求められるということでした。

「ナーサリーは有料なの?」という質問から(←有料でした)
【格差はナーサリーに行けるか行けないかの時点で生まれている】ことがわかりました。
また、「多様な生徒を受け入れるというのは、外国籍の子供たちを
どう受け入れるかという点で日本にも関係していると思う。」という意見も。


ついでに4限でやった論文輪読も一緒に載せておきます!!

1章 変わる社会と国際協力の課題


緊急支援において教育を施すことの重要性が
最近になってようやく見直されるようになりました。
今回はアフガニスタンの教育を巡る問題を見てみたいと思います。

アフガニスタンではご存知のように2001年まで反政府武装勢力タリバンが
政治の実権を握っていました。

現在、新政権によってアフガニスタン新憲法が定められましたが
教育面ではアフガニスタンの伝統と、近代教育とのギャップが問題になりました。
たとえば男女共学を目指したいものの、
これまで男女が同じ空間で学ぶことが許されていなかったこと、
女子の教育はよしとされておらず、実際に放火されるなど、攻撃の対象になることなど。

そこでコンサルティブ・グループという
政府とNGOを含めた援助機関が直接意見交換をできる場を設け
様々なニーズを拾いながら憲法が作成されました。

今後の国際協力は、教育や医療の普及を開発の「目標」ではなく
「前提」に据え、現場の意見・状況をフィードバックできる柔軟なシステム
構築せねばならない、とこの本を総括するような意見が述べられていました。

発表後にはコンサルティブ・グループについて質問が多くでました。
そのほか、日本でアフガニスタンに対してだけは
首相の一声で人道支援が行われたことついて
「アメリカへの忠誠を示すためでは。人的援助をしていない、と批判されたから」との指摘。


長くなるので次に続きます!!
今回もゲストスピーカーの方が来てくださいましたよ~\(^o^)/

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